フェンネル出荷。売り方も考えないといけませんなぁ

今年もフェンネルが立派に育ちました。さっそく収穫して、2通りのチャネルで販売してみたので報告します。売り方によってアプローチできるお客さんの層が変わるので、「どこで売るか」というのはかなり重要だと痛感しました。

フェンネル収穫

10月上旬、高さ50cmくらいに成長したフェンネルを株元から切断して収穫しました。株元が充実したフェンネルはずっしりと重く、葉がこすれ合うたびにアネトールの甘い香りが漂います。この葉先を合挽き肉と混ぜれば、葉が繋ぎの役割を果たしてくれて、きれいなハンバーグが焼けるのです。もちろん、香りを生かして川魚や肉の香り付け・臭み消しにも活躍します。このような便利な使い道を普及したいと思い、今年こそはとフェンネルの販売に乗り出しました。

販売方法は以下の2通りを試してみました。

  1. 大通り添いの直売所での委託販売。地元の農家や家庭菜園で作られた季節の野菜が並び、家族連れや観光客が訪れます。委託なので店番する必要はありませんが、価格設定や陳列方法は自分で決められません。
  2. 近所のコワーキングスペースでの対面販売。顔見知りの方々に、調理方法を説明しながら販売できます。

さて、どちらの方が売りやすいでしょうか。

変わりダネの野菜は、やっぱり対面販売

市場の屋台のイラスト(いらすとや)

結論から言うと、直売所では売れませんでした。売れればPOSデータが届くのですが、音沙汰なし。一緒に出荷した大葉は速攻で売れたので、大葉ほどの需要もなかったのでしょう・・・

もっとも、直売所はダメ元で一株だけ出荷したので、そこまでの痛手ではありませんでしたが。

使い方が分かりにくい」は致命的

直売所で売れなかった理由は、自分の中では割とはっきりしています。要は使い道がない野菜は選ばれないというだけのこと。野菜って、別に真新しさを第一に選ぶものではありませんからね。何かしら作りたい料理のイメージがあって、その料理に使える野菜をスーパーや直売所で探索するのが普通だと思います。料理ありきで野菜を吟味しているお客さんにとって、日常的に食卓に上らず使い方が分かりにくいフェンネルは、選択肢にすら上がらないのです。

印象的だったのは、直売所の販売担当の方でもフェンネルをご存知でなかったこと。どんな料理に使えばいいのか、と尋ねられたくらいでした。きっと販売を丸投げされた直売所の方も困惑されたことでしょう・・・。スミマセン。

これがフェンネルの実情だと知った上で、販売チャネルを工夫しないといけませんね。

需要は自分で作る」くらいのつもりで、使い方を解説

一方、コワーキングスペースでの対面販売は3株販売して半日で完売しました。顔見知りがお情けで買ってくれたというのを加味しても、直売所よりは売れやすい環境だったと思われます。

対面販売であれば、「使い方が分かりにくい」という点を多少はカバーできます。調理例を写真付きで解説したポップを掲示して口頭でも説明し、購入者には印刷してお渡ししました。

フェンネルは生産農家が少なく、使い方も浸透していない野菜です。利用方法を広めながら、需要は自分で作るくらいの気持ちで気長に売り込んでいく必要がありそうです。

ひと工夫しないとフェンネルは売れない

マルシェのイラスト(いらすとや)

スーパーや直売所で不特定多数向けに販売しても、フェンネルのような変わりダネの野菜は見向きもされません。関心のある層に向けてピンポイントに宣伝したり、セット販売など売り方の工夫をしなければならない。そういう当たり前のことを再確認できました。

具体的にどんなやり方があるのか、挙げてみると・・・。

  • 健康志向が高い層に対して、薬草や生薬に使われる野菜を日常的な食事に取り入れる例として紹介する。
  • 他のメジャーなハーブとセット販売する。
  • ベビーリーフの状態で、他の葉物野菜と混ぜて売る。
  • ワークショップ形式で、フェンネルを使ったブーケガルニを作る。

セット販売ベビーリーフが現実的な着地点ではないかと今は思っています。丸ごとのフェンネルはやはり使い切るのが難しいので、切り分けて他のハーブや野菜とセットにしたり、そもそも小さいうちに収穫してベビーリーフとして使う。こうすれば、「フェンネル普及」という当初の野望の一部は達成できるでしょう。

まあ、フェンネルを売るためにセットとなる他の作物も作らなきゃいけない、というのは本末転倒な気もしますが。セットにする品目を模索する過程で、面白い作物に出会えたら良しとしましょう。

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