「幻の果実」ポポーの開花
保存が利かないため市場に出回りにくいことから、「幻の果実」とも呼ばれるポポー。北米原産のバンレイシ科の落葉樹で、耐寒性が高いため日本でも露地栽培できます。
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この作物にポテンシャルを感じて苗木(樹高60cmくらい)4本を畑に導入したのが昨年11月。そして、早くも花が咲きはじめました。

4月下旬、茶色い鞠のような芽を開き、花を展開しはじめたポポー 。はじめ緑色だった花は徐々に褐色に染まり、最終的にはチョコレートのような赤みを帯びた褐色に。

ポポーの花は雄しべと雌しべを両方備えている「両性花」です。しかし、通常は雄しべよりも先に雌しべが成熟し、雄しべの開葯を待つことなく劣化してしまうため、同じ花についた雄しべ・雌しべ間で受粉が成立することはありません。そのため果実ができるには、以下の条件を満たす必要があります。
- 複数の花が、タイミングをずらして開花すること
- 花粉媒介者の存在
❶をクリアするために、苗木を複数本植え付けて開花タイミングのばらつきに期待したわけです。
❷に関しては、野生ではハエや甲虫が花粉を媒介するそうです。しかし実生産では、はじめに咲いた花の花粉を保存しておき、人工授粉することで結実確率を上げています。
ビギナーズラック?で結実
正直なところ、今年は果実はできないだろうと思っていました。まだ苗木が若いので花の数も少なく、しかも4月下旬からほぼ一斉に開花してしまったため、上記の❶をクリアするために必要な「開花タイミングのばらつき」があまり期待できませんでした。
ところが・・・

おや、花が散ったあとも子房が残っている。受精が成立していなければ、普通は子房ごと落花してしまうのです。ということは、どうにか受精が成立したのでしょう。ビギナーズラックというやつでしょうか。
今回私は人工授粉をおこなっていないので、昆虫が訪花して花粉媒介したのだと考えられます。昆虫に感謝しつつ、経過を観察します。
補足:ポポーの果実はこんな感じ

このポポーは2018年10月に岐阜県高山市のJA直売所で購入したものです。緑色ののっぺりした果実ですが、香りは熱帯果樹のようなエステル臭。果肉は熟れた柿のように柔らかく、強い甘味があります。保存が利かないので、秋に直売所を巡回して運が良ければ出会える程度の「幻の果実」です。
私がポポー栽培を思い立ったのにもそれなりのストーリーがあるので、ポポーとの馴れ初めについてもおいおい書いていきたいと思います。