小玉カボチャ「プッチーニ」の人工授粉を行ったため、手順などを覚書として残しておきたい。今年は梅雨の長雨により、地面を這わせていた蔓の一部が腐ってしまった。しかし、一部の蔓を棚へ誘引して立体的に這わせていたところ、棚を張っていた蔓は青々と葉が茂っていた。土や雨水の跳ね返りから遠ざけられたことで病気の発生リスクを抑えられたようだ。現時点で、10個弱の果実が成長している。
人工授粉の目的
カボチャの花は雄花と雌花の二形がある。正面から見たとき、棍棒状で黄色い花粉がまぶされた雄蕊が見える方が雄花。花の付け根部分に膨らんだ子房があり、さらに花の中央にドーナッツのような形の柱頭が見える方が雌花だ。


カボチャは虫媒花であり、ハチや甲虫が出入りすることで雄花から雌花へ花粉が運ばれて受粉が成立する。しかし、未明に開花したカボチャ雄花の花粉は、その日の午前10時頃には受粉能力を失うとされている。この短時間で都合よく昆虫が訪花するとは限らないので、確実に結実させるために行う操作が人工授粉だ。
人工授粉の手順

明け方に雄花と雌花が両方咲いているのを確認したら、まず雄花を摘み取る。花弁は邪魔なのでむしり取ってしまって良い。

そして摘み取った雄しべの先端(葯)を、雌花の先端(花柱)に5回くらい軽く押しつける。あまり強く押し付けて雌しべを折ってしまわないように注意。
これで受粉は完了。この一手間をかけるだけで受粉成功率は大きく上がるはずだ。受粉から収穫適期までの日数は品種により異なるため、栽培している品種の説明書を確認したうえで経過観察しよう。

