当ブログは家庭菜園の経過報告みたいになっているが、中小企業診断士としてもちゃんと活動していることを記録したい。
現在、中小企業診断士の活動として、県内のある農業資材メーカーA社様の経営相談にあたっている。知人から紹介していただいた1年度単位契約の案件であり、今年はその1年目だ。最初の業務だった機械設備更新に関わる事業計画作成や各種規制対応のサポートが一段落し、残りの契約期間や次年度以降の支援方針を定めるため、財務報告書に基づく経営診断をやらせていただくことになった。
診断士に登録する前に経験した研修(実務補習という)で経営診断は散々やったのだが、初めて独力で財務諸表を読み解きながら経営の現状・課題・改善提案について資料作成するという骨太な仕事だった。久しぶりに数字とじっくり向き合い、生成AIの力も借りながら報告書の形にまとめた。
報告書をもとにA社社長とお話をしたところ、報告書の内容には満足いただけた様子だった。報告書で指摘した課題点のうち比較的すぐに手を打てるのは、販路が地元ホームセンターに大きく依存しており店内陳列や販促ポップ掲示などのインストアマーケティングの裁量がA社様にほとんど無いこと。これに関しては社長も認識しており、販促のために資材の使い方を説明する講習会を開催しているとのことだった。講習会後は資材の販売数量が伸びるそうなので、製品情報発信の強化は販促に繋がると考えられる。さらに来年度からはWebサイトの解説を計画しているとのことだが、こちらはほぼ外注でありノウハウを持っていないようだった。
そこで、資材プロモーション用にインスタグラムの運用を提案してみた。ホームセンターの店頭で販促ポスターやポップを掲示しようにも、ホームセンターの売り場担当者の裁量によるため自由度は低い。資材の使い方講習会は効果的だが、開催コストがかかるため頻繁には行えない。これを補う手段として、インスタグラムのリール動画での用途紹介、ストーリーでの出荷情報共有は効果が期待できる。
今やインスタグラムは若年層のツールではなく、A社社長の年代(60〜70代)でもインスタグラムから情報を得ている人々は一定数存在するという。多少なりとも顧客との接点を増やし、離脱防止や新規獲得に繋げることを狙う。中長期的には、来年度解説予定のWebサイトとの連携を図り、求人情報の発信も行うことで懸案事項である人手不足対策にも貢献させたい。
以上の内容で社長も前向きなご様子だったため、まずは試験的にインスタグラムを運用してみようという方向性になった。私の方でアカウントのコンセプトや届けたいペルソナを設定し、A社と共同で投稿用の写真を撮り溜める。投稿案は最初のうちは私の方で叩き台を作成し、ゆくゆくはA社で自走できれば理想的。アカウントを育てるのはそれなりに時間がかかるので、来年度まで引き続き取り組むことになるのではないだろうか・・・ということで、まだ確約ではないが来年度の契約更新も獲得できそう。
ということで、今までなんとなく雰囲気でやっていたインスタグラムを、もうちょっと真面目に勉強してやることにした。リールとストーリーなんて同じようなもんだと思っていたけどリーチできる範囲が全く異なること、画像のキャプションにいくら文章を書いても検索に引っかからないのでハッシュタグ形式にしないとほぼ無意味なことなど、今さら知って驚くことが多い。令和キッズにとってはこんなの感覚的に使いこなせるのかもしれないけど、平成ジジイは実践・勉強・実践を繰り返してようやく半人前なのかもしれない。なんかザッカーバーグの手のひらの上で踊らされるようで不愉快な気もするが、ここはもう牧歌的なフラッシュ倉庫ではなくSNSの戦場なのだと割り切って適応していこう。

